富田愛子 Dr Aiko Tiarni Tomita
B.Med, B.Appl.Sc., FRACGP, PhD (Medicine)
General Practitioner, Healthcare on Collins (Melbourne)
Visiting Associate Professor, Tokai University School of Medicine
www.doctoraiko.com.au


女性の健康とホルモンバランス
― PMS・更年期と上手に付き合うために ―

秋らしくなり、朝晩は少し肌寒さを感じる季節になってきました。
季節の変わり目は体調もゆらぎやすい時期ですが、「なんとなく調子が出ない」「理由はないのにイライラする」と感じることはありませんか。

女性の場合、こうした変化の背景にはホルモンバランスが関係していることがよくあります。女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの影響を受けながら、約1か月の周期で変化しています。この変動は脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)にも影響し、気分や体調の波として現れます。

その一つがPMS(月経前症候群)です。生理前の1〜2週間に、イライラや気分の落ち込み、むくみ、頭痛、集中力の低下などが見られることがあります。多くの女性が経験するもので、ホルモンの変動に伴う自然な反応です。ただし、日常生活に支障が出るほど強い場合は、治療(ホルモン療法や抗うつ剤として使っているお薬など)が有効なこともあります。

また、更年期は一般的に45〜55歳頃に訪れ、女性ホルモンが大きく揺らぎながら減少していく時期です。ほてりや発汗(ホットフラッシュ)、寝汗、動悸、睡眠障害、気分の変動などが起こることがあります。対処法として、有名なのはホルモン補充療法(HRT・MHT)ですがその他の薬剤も色々あります。薬剤以外にも、ライフスタイルを見直すことがとても重要です。

こうした変化は珍しいものではなく、体の自然なリズムです。大切なのは、自分の体調の波を知り、無理をしすぎないこと。我慢する=頑張っているとは限りません。ぜひ、お一人で抱えなこまないで、医療機関にご相談ください。

また、周囲の理解も大きな支えになります。「そういう時期がある」と知っているだけでも、接し方は変わります。オーストラリア、日本でも、女性の健康に配慮した働き方への関心が高まっています。

女性の体は不安定なのではなく、「変化するようにできている」と捉えることが大切です。このリズムとうまく付き合うことが、日々を心地よく過ごすヒントになります。


【次回予告】
次回は、まり子先生が親のストレス、子どものストレスについてご執筆くださいます。ぜひお楽しみに!

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