文化委員会(委員長:三菱UFJ銀行・飯野貴弘)は9月27日(土)~28日(日)にカウラ・バスツアーを開催、日本人会会員を中心に28名が参加しました。
第二次世界大戦中、シドニーから西に約330kmの内陸にあるカウラには捕虜収容所があり、1000人以上の日本兵捕虜が収容されていました。終戦前年の1944年8月5日午前1時50分ごろ、「カウラ・ブレークアウト」という集団脱走が決行され、日本兵231人、オーストラリア兵4人の死者と、多くの負傷者を出す惨事となりました。こうした歴史的背景から、カウラ市は毎年、カウラジャパニーズガーデンに桜が咲く9月下旬に「さくらまつり」を催し、その翌日に戦没者慰霊祭を実施しています。
初日はまず、カウラジャパニーズガーデンで行われた「さくらまつり」を訪問しました。
新緑が芽吹き始める花葉桜が出迎える中、屋台の食事やステージで行われた催し物を楽しみました。
写真:さくらまつりの様子
さくらまつり見学後は、ジャパニーズガーデンの北へ30分ほどの場所にあるワイナリー「Rosnay Cellar Door」を訪れ、テイスティングの他、ワインの製造現場を見学しました。
写真:ワインの説明を受ける参加者
写真:ワインの製造現場の見学
ワイナリー見学後は、カウラのホテルに戻り、夕食懇親会で参加者同士の親睦を深めました。
2日目は、まず「カウラ・ブレークアウト」が実際に起きた捕虜収容所跡(POW: Prisoner of War)を見学しました。
写真:捕虜収容所跡でのツアー参加者集合写真
POW見学後は戦没者慰霊祭に参列し、岩間シドニー日本人会会長、隅田シドニー日本商工会議所会頭による献花が行われました。
写真:慰霊式典で献花する岩間シドニー日本人会会長(左)
写真:慰霊式典で黙祷する隅田シドニー日本商工会議所会頭(左)
戦没者慰霊祭参列後は、今回のツアー参加者の永倉成二氏が理事長を務める永倉財団が設立した「サブロー・ナガクラ・パーク」の見学をしました。同パークでは、永倉氏より設立の経緯や現在の状況について説明いただき、ポール・スミス・カウラ市長からご挨拶をいただきました。
写真:公園の説明をする永倉氏(左から2人目)
写真:サブロー・ナガクラ・パークでカウラ市長との集合写真
その後、カウラジャパニーズガーデンのCafeで昼食をとり、シドニーへの帰路につきました。
カウラの菜の花畑と青空のコントラストが良く映える中で、日豪の歴史を振り返る充実したツアーとなりました。
写真:車窓から見える菜の花畑