オーストラリアでの生活、そして、シドニーでの生活はどのような世界がまっているのでしょう。ここでは、オーストラリアでの生活がどのようになっているのか、その様子をご紹介します。

はじめに

日本の約22倍という広大な国土を有するオーストラリアは、世界唯一の大陸国家として知られています。ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州をはじめとする6つの州と、2つの特別地域から構成されており、総人口は約2,060万5,488人(2006年6月現在)です。

NSW州の州都シドニーは、オーストラリア最大の、そして最も長い歴史を誇る美しい都市です。地理的には東経151度12分、南緯33度52分に位置しており、世界地図を赤道で2つ折りにしてみると、ちょうどシドニーは四国の高知市とほぼ同じ緯度であることが分ります。

シドニー湾(Port Jackson)は、天然の良港で知られ、世界三大美港の1つに数えられています。湾の入口は約1.5kmと広くありませんが、青い海と美しい緑に囲まれた海岸線を眺めながらゆっくりと進めば、やがて悠然としたハーバー・ブリッジやシドニーのランドマーク「オペラハウス」が目に飛び込んできます。ここが、まさに世界三大美港に数えられるゆえんです。
行政区画上のシドニー市は、いわゆるCBD(Central Business District)を中心とした地域で、市域面積は約26.15平方キロメートルで、東京都の品川区より若干大きい程度です。また、行政人口もその大部分がオフィス街ということもあって、約16万人(2006年6月現在)となっています。
一般的にシドニーと呼ばれているのは、行政区画上のシドニー市に周辺の市や郡を加えたグレーター・シドニー(Greater Sydney)と呼ばれる地域で、東西約53km、南北約80km、面積は4,074k㎡で東京都の約2倍の面積になり、人口は約425万人(2006年6月現在)を数えます。

1.生活習慣

オーストラリアは、戦後の50年で550万人もの人を移民として受け入れた国です。2006年6月現在の人口約2,060万人のうち、約4分の1は海外で生まれたことになり、文化や習慣の異なる人々が一緒に生活しています。従って、現地の人々と交流する場合は、相手のバックボーンを理解することも重要です。宗教的なことから食事の習慣や休日の過ごし方が日本人とは全く違う場合もあります。しかしながら、一般的にオーストラリアの人は気さくで明るい性格の方が多いので、あまり神経質になり過ぎず自然体で付き合うように心掛けましょう。

(1)パーティー

陽気なオージーはパーティー好きで、ちょっと親しい間柄になれば、お互いに誘ったり誘われたりすることが日常的にあります。しかし、多少親しい間柄になっても宗教的な習慣の違いには注意が必要です。例えば、イスラム教徒は金曜日、キリスト教徒は日曜日が安息日です。イスラム教徒はハム、ベーコン、ソーセージ、ラードを含め豚肉製品は一切口にしませんし、キリスト教徒の中にも金曜日の肉なしデーを厳格に守っている人や、イースターの前は、厳しい戒律に従って外出や楽しみを避ける習慣を残している人もいます。また、菜食主義の中には鶏卵も食べない人もいます。
オーストラリア人の間では、日本食は大変人気があります。特にお寿司、揚げ物(天ぷらやフライ)、すき焼き、焼き鳥、豆腐料理などは人気が高いようです。自宅に招待するときは、手巻き寿司の準備をすると、オージーはサンドイッチ感覚でお寿司を楽しむでしょう。
パーティーが夜遅くになる時は、迷惑をかけそうな隣近所に事前に了解を取っておいた方が安心です。とりわけ、プールサイドなどでの夏季の野外パーティーの場合は、音楽や話し声が直接周辺に響くので、十分注意しましょう。夜11時以降は、騒音によっては罰金を課せられることもあります。

(2)美観の維持

芝刈りやプールの掃除は、こまめに行い美観を損なわないよう努めましょう。庭の樹木や草花の手入れも、ひんぱんにしないと、草木の成長が早いためすぐ荒れ放題になってしまいます。一戸建て住宅に住むオーストラリア人は、庭の手入れにとても熱心で、いつも芝を刈り込み、1年中きれいな草花を咲かせて楽しんでいます。一戸建ての借家の場合は、家賃の中に庭の手入れ代が含まれている場合もありますが、周辺との調和には常に気を配る必要があります。

(3)ごみの処理

生ごみは一般ごみとともに専用容器に入れて、指定された収集日に自宅前に出します。スチール製の空き缶は生ごみと一緒に処理できますが、アルミ缶や、空きびんなどのガラス、ペットボトルは、分別して回収されます。
ごみ収集車は1週間に1~2回、決められた曜日に定期的に巡回してきます。粗大ごみも収集日が設けられていますが、急ぐ場合は各地域に特定の処分場があり、乗用車に積んで処分場まで運べば、有料で捨てることができます。
いずれも地域によって収集日、方法などの点で違いがありますので、近所の方に聞いてみるとよいでしょう。

(4)バーベキュー

バーベキューは、オーストラリアの代表的な料理方法です。休日には、気の合った仲間と野外で、オージービーフや野菜を大胆に焼きながら、ワイン片手に会話を楽しみます。しかし、天気が良ければいつでもバーベキューを楽しめるわけではありません。自宅の庭やレクリエーションエリアなどでバーベキューをするときには、火災(ブッシュファイヤー)の危険度を示す注意報に従わなければなりません。注意報は、その日の天候、温度や日照り続きで雨なしの期間がどのくらい続いているかなどを総合的に判断して、①危険度が極めて低い、②低い、③普通、④高い、⑤非常に高い、⑥際立って高い、の6段階で示されます。30℃以上の気温で、強い西風か北風が吹き、2週間以上も雨が降っていないような場合は「全面禁止」となります。
自然が豊かで市街地近くまでユーカリなどの原生林が茂っている半面、それが原因で大規模な山火事が発生する危険性があるからです。その日の危険度は、幹線道路わきなどにある大きな立て看板に常に表示されています。

(5)Aussie English

オーストラリア人の多くは、「Today」を「トゥダイ」、「Lady」を「ライディ」というように、英米語の”エイ”を”アイ”と発音します。オーストラリア英語は、英国ロンドンの下町の言葉として知られるコックニーが源流といわれています。初めはなかなか聞き取れず、戸惑うこともありますが、無理にその発音をまねる必要はありません。通常の英米語で通じますので、楽な気持で英会話を実践してみてください。

2.治安と防犯

シドニーはこれまで安全な都市と考えられていましたが、最近は世界の他の大都市と同様に年々治安が悪化しています。特に銃器による犯罪や麻薬がらみの犯罪が後を絶たず、また都市部での少年による犯罪も増加し、その手口も悪質化する傾向にあります。
主な犯罪は、市街地では強盗、ひったくり、置き引き、住宅地では侵入窃盗、性犯罪、車両窃盗が多く、十分な防犯対策をとる必要があります。日本人の被害も多く発生しており、日本国内と同様の感覚で生活していると取り返しのつかない大きな被害を受ける恐れがあります。
とかく海外で無防備といわれる日本人にとって、防犯対策をとりすぎるということはありません。犯罪被害を未然に防止する心構えは、自己防衛に徹することです。

(1)盗難

市街地で発生する被害の中で最も多いのが、ひったくりと置き引きです。ひったくりは男性1~2人が通行人のショルダーバッグやハンドバッグをひったくり、近くに待機させていた車(ほとんどが盗難車)で逃走するというものです。絶えず周囲に注意し、バッグなどは車道と反対の建物側に抱え、危ないと感じたときは近くの店に入ったりして被害に遭わないようにしましょう。置き引きは、ホテル、デパート、ブティック、レストランや空港、駅、観光名所、公園などの公共の場所で、近くに置いたバッグなどが気づかないうちになくなるというものです。絶対にバッグなどから目を離してはいけません。特にインターシティーと呼ばれるシドニーの中心部は時間帯に関係なく要注意です。
その他、駐車中の車から貴重品が盗まれる車上狙いも多く発生していますので、車の中には貴重品は置かないようにしましょう。時には車で信号待ちやガソリンスタンドでの給油中に被害に遭うケースもありますので、窓は閉め、ドアは必ずロックするようにしましょう。
住宅地では、侵入窃盗被害が深刻な状況です。一戸建てはもちろん、ユニットも決して安全ではありません。住宅探しの際には窓、ドアの二重ロックや侵入防止センサーなどの防犯機器が設置されているか、また車庫や駐車場に対する外部からの侵入防止施設は整備されているかを、必ずチェックするようにしてください。特にオーストラリアでは、電気製品などが質屋などで容易に換金できるので、最新の電気製品があると思われている日本人の家庭は常に狙われている可能性があります。電気製品や貴重品は万一のことを考えて製品番号などを記録しておくようにしましょう。
また、過去に日本食スーパーなどにガレージセールやシェアメイト募集の広告を出した日本人の家庭が強盗の被害に遭ったケースもあったので、知らない相手を簡単に屋内に入れないようにすることが重要です。

(2)犯罪

女性が乱暴されたり、幼女が強制わいせつ事件に巻き込まれることが意外に多いので、注意が必要です。女子の通学は安全確保に万全を期して、スクールバスなどの停留所まで親が送迎するのが原則です。夜間の女性の1人歩きは暗がりを避けること。見知らぬ人の誘いに乗って自動車に乗るのは危険です。
自宅に訪問客があった場合も、すぐにはドアを開けず、チェーンをつけた状態でまず相手を確認するようにしましょう。
タクシーに乗る時は、後部座席に乗り、また夜間に電車を利用する場合にはプラットホームの「NIGHT SAFE AREA」と表示された場所で電車を待ち、青色のランプの付いた車両に乗るようにしましょう。

(3)警察への連絡

犯罪に巻き込まれたり、被害に遭った時は、「000」(緊急番号:警察、消防、救急の共用)をダイアルし、オペレーターに「警察(Police)」と言えば警察につながりますので、落ち着いて「場所」と「何が起きたのか」を正確に伝えるようにしましょう。

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