シドニー日本人国際学校(SJIS)監修


豪州の学校生活は日本とココが違う!NSW州の学校制度と生活リズムの基本

慣れない海外生活の中で、お子様の学校に関する情報は特に不安を感じる点でしょう。日本の学校システムとは大きく異なるオーストラリア、特にNSW州(ニューサウスウェールズ州)の学校生活について、最初に知っておきたい基本の仕組みと生活リズムを解説します。


1. まず知るべき!NSW州の学校制度の全体像

オーストラリアの学校制度は、日本とは「学年」と「区切り」が大きく異なります。

① 年齢と学年の対応(キンダーガーテンからハイスクールまで)
NSW州の学校は、キンダーガーテン(Kindergarten, K)から始まり、Year 12で修了する13年間が基本です。

区分 学年(Year) 日本の学年相当
初等教育 (Primary School) Kindergarten – Year 6 幼稚園年長~小学6年生
中等教育 (High School) Year 7 – Year 12 中学1年生~高校3年生

💡 ここがポイント:キンダーガーテンは日本の「年長さん」だけど、中身は「小学1年生」!オーストラリアのキンダーガーテンは、名前に「ガーテン(幼稚園)」と付いていますが、中身は小学校の第1学年(義務教育)です。
お勉強のスタート: 日本では幼稚園年長さんの年齢ですが、NSW州ではこの1年目から「読み・書き(Literacy)」や「算数(Numeracy)」などの本格的な教科学習が始まります。学校生活の土台: 遊び中心の生活から、机に向かって集中する「生徒」としての生活リズムを作る大切な1年間となります。

📌 入学年齢と義務
1. 入学資格: その年の7月31日までに満5歳になる子どもは、キンダーガーテンに入学できます。
2. 法的な義務: 法律により、すべての子どもは6歳の誕生日までに必ず就学していなければなりません。
3. 最近の傾向: 豪州では、入学時に精神面・社会面で準備ができているかを重視する傾向があります。特に誕生日が早い月(1月~7月頃)のお子様を持つ保護者の間で、あえて入学を1年遅らせる(6歳近くでキンダーガーテンに入る)という選択が主流になりつつあります。このため、キンダーガーテンのクラスでは最年少と最年長で1年半以上の年齢差があることも珍しくありません。

② 義務教育と卒業の仕組み
義務教育期間はYear 10(15~16歳)の修了時までです。その後は、大半の生徒がYear 11・12に進学し、大学進学のための州統一試験(HSC: Higher School Certificate)を目指しますが、職業訓練(TAFEなど)を選ぶ道もあります。


2. 日本と大きく違う!「4ターム制」の生活リズム

オーストラリアの学校は、日本のような3学期制ではなく、「4ターム制」を採用しています。

学期 (Term) 期間の目安 間の休暇 (School Holiday)
Term 1 1月末~4月上旬 約2週間(イースター休暇を含む)
Term 2 4月下旬~6月下旬 約2週間(冬休み)
Term 3 7月下旬~9月下旬 約2週間(春休み)
Term 4 10月中旬~12月中旬 約6週間(長い夏休み!)

ターム制で注意すべきポイント
· 年度の始まり: 新しい学年は1月末~2月初めに始まります。日本の4月始まりとは異なるため、学年の途中に編入するケースが多くなります。
· 長期休暇: 12月中旬から始まる約6週間の夏休みは、ご家族の予定(日本への一時帰国など)を立てる上で最も重要な要素です。この期間は学校が完全に休校になります。


3. 日々の違いに戸惑わない!学校生活の基本

日本の学校生活とは異なる、NSW州の学校の日常的なルールと習慣を知っておきましょう。

① モーニングティー(Morning Tea)の習慣
日本の学校にはない習慣として、「モーニングティー」(Recess, リセスとも呼ばれます)があります。
● 時間帯: 午前中の、だいたい2時間目と3時間目の授業の間に設けられる短い休憩時間です(約15~20分)。
● 内容: この時間には、子どもたちはフルーツやヨーグルト、クラッカーなどの軽いスナックを食べます。これは、ランチまでの長い午前中の学習時間を乗り切るためのエネルギー補給を目的としています。
● 準備: 保護者は、ランチとは別に、このモーニングティー用のおやつを分けて持たせる必要があります。

② ランチタイム(お弁当 vs キャンティーン)
· 「キャンティーン(Canteen)またはタックショップ(Tuck Shop)」の活用: 学校内には売店があり、軽食やランチを注文できます。オンラインで事前に注文・決済する仕組みが一般的です。
· ランチボックス(お弁当): 日本のような「給食」の制度はなく、基本的に保護者がお弁当(ランチボックス)を用意します。サンドイッチやフルーツなど、手軽に食べられるものが主流です。

③登校・下校と連絡のルール
· 集団登校はありません: 基本的に保護者が送迎するか、スクールバスなどを利用します。
· 欠席・遅刻には厳格に対応: 欠席や遅刻をする際は、必ず保護者から学校に連絡する義務があります。無断欠席は厳しく問われますので、ご注意ください。
· 学校からの連絡: 学校独自のアプリ(例:Sentralなど)やメールを通じて、情報が発信されることが主流です。学校行事等は、日本に比べると直前の連絡は変更もあるため、フレキシブルな対応が必要な場合もあります。


4. 保護者はどう関わる?

オーストラリアの学校は、保護者に対し、学校生活への積極的な関わりを求める傾向があります。
· ボランティア(Volunteering): 図書館での本の整理、授業のアシスト、遠足の引率など、学校運営のボランティアは歓迎されます。英語の練習にもなり、学校の雰囲気を知る良い機会です。
· 保護者面談: 定期的にParent-Teacher Interview(保護者と先生の個別面談)が実施されます。お子様の学習状況や学校生活について、積極的に質問しましょう。


次回のコラムでは、日本の「点数」評価とは大きく異なる、NSW州の学校における「学習評価」と「宿題」の仕組みについて、より詳しく解説していきます。

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