富田愛子 Dr Aiko Tiarni Tomita
B.Med, B.Appl.Sc., FRACGP, PhD (Medicine)
General Practitioner, Healthcare on Collins (Melbourne)
Visiting Associate Professor, Tokai University School of Medicine
www.doctoraiko.com.au


新しい年を健やかに迎えるための心身リセット
― 睡眠・運動・食習慣を整える ―

新年あけましておめでとうございます。GPの富田愛子です。

年末年始は、新しい一年への期待が高まる一方で、心身の疲れが表に出やすい時期でもあります。
昨年末、シドニーのBondiエリアで起きた出来事により、不安や緊張を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。直接関係していなくても、このような出来事は私たちの心や身体に影響を及ぼすことがあります。

だからこそ年の始まりは、「頑張る」よりもまず、心身を整えることを大切にしていただきたいと思います。今回は、睡眠・運動・食習慣という基本的な視点から、無理なくできるリセット方法をご紹介します。

1.睡眠 ― 量よりもリズムを意識する

「しっかり寝なければ」と思うほど、かえって眠れなくなることがあります。大切なのは完璧な睡眠時間よりも、生活リズムを整えることです。
• 起きる時間をできるだけ一定にする
• 朝起きたらカーテンを開け、自然光を浴びる
• 寝る直前のスマートフォン使用を少し控える

こうした小さな工夫でも、体内時計は徐々に整っていきます。

2.運動 ― 「少し動く」を積み重ねる

運動は、激しいものである必要はありません。
• 10分ほどの散歩
• 軽いストレッチ
• 日常生活で階段を使う

体を動かすことは、緊張を和らげ、気分を落ち着かせる効果があります。「できた日」を重ねることが、心身の回復力を支えます。

3.食習慣 ― 制限よりも「戻す」意識

年末年始は食生活が乱れやすい時期です。新年は、厳しく制限するよりも、少しずつ元のリズムに戻すことを意識しましょう。
• 食事の時間を整える
• 野菜やたんぱく質を一品足す
• 冷たい食事ばかり選ばない

それだけでも、体はきちんと応えてくれます。

医師としての注意喚起 ― こんなときは、ひとりで抱え込まないで

不安や緊張、睡眠の乱れは、多くの場合、時間とともに自然に軽減していきます。
しかし、以下のような状態が2週間以上続く場合は、無理をせず、医師や専門家に相談することをおすすめします。
• 眠れない状態が続き、日中の生活に支障が出ている
• 強い不安感や動悸が続く
• 気分の落ち込みが改善せず、何事にも意欲がわかない
• 外出や人と会うことを極端に避けるようになっている

これらは「気持ちの問題」ではなく、心身のケアが必要なサインです。早めに相談することで、回復の道筋が見えやすくなります。

おわりに

不安を感じたり、疲れが抜けないと感じることは、決して弱さではありません。
それは、心と身体が「立ち止まって整えてほしい」と伝えてくれている自然な反応です。

新しい一年の始まりは、大きな変化を起こさなくても大丈夫です。
睡眠のリズムを整えること、少し体を動かすこと、食生活を戻していくこと。
その積み重ねが、健やかな一年の土台になります。

この一年が、皆さまにとって穏やかで安心できるものとなりますように。
本コラムが、その一助になれば幸いです。
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【次回予告】
次号は、首藤まり子先生が
**「孤独感との上手なつき合い方」**をテーマにお届けします。
どうぞお楽しみに。

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