2022年11月例会(地域別(産地別)ワインを楽しむ会 ~豪州和牛 黒毛牛と共に~)実施報告

 

日時: 11月29日 火曜日
場所: 居酒屋だるま
参加人数: 30名

2022年の最後を飾るワイン・ティスティング・クラブの例会が11月29日居酒屋だるまにて行われました。テーマは、地域別(産地別)ワインを楽しむ会~豪州和牛 黒毛牛と共に~。前半は3種類の早出しワインのテイスティング、後半はオーストラリアの誇る牛肉とワインのマッチングを楽しむという2部構成の形式をとりました。ご参加者は41名、そのうち初参加の方が4名。そして、今年の3月に日本に帰国された小林さんも素敵なプレゼントとともに来豪、例会に参加してくださいました。ウェウカムドリンクは、SAのアデレードヒルからPetalumaのCroser 2017。夏の夕べにぴったりのキリッとした中に爽やかな甘みと炭酸が融合したクリーミーなスパークリングワインです。司会進行の石川さんの挨拶と堀江先生のサクッとした乾杯の音頭で会は始まりました。

ワインの解説は、お馴染みマイク西山さん。第一部のワインテイスティングは、三種のカナッペと共に。オーストラリア(NSW/ VIC)のBrown Borthers からTerrango 2022。Tarrangoは、CSIROが1965年にポルトガルの赤葡萄の品種であるtourigaと白葡萄のsultanaを交配して作ったオーストラリア産の葡萄の品種です。そして、フランスからMommessin Beaujolais Nouveau 2022。オーストラリアでは手に入れるのに困難であるボジョレーヌーボを今回は特別なルートで入手。そして、我がクラブの早出しシラーズ。クラブ発足の年に構想が始まったクラブで作るシラーズは、コロナ禍で会員による作業ができなくなるなど、様々な困難を乗り越えて出来たシラーズです。クラブ顧問でSmall Forestの小林敦子さんの多大なるご尽力のおかげで今回、試飲まで漕ぎ着けました。櫻井部長から小林敦子顧問に代わり、早出しシラーズについての説明がありました。新酒として直ぐに飲むワインなので、樽を使わないワインをブレンドし、タンニンの少ない華やかな飲みやすいワインに仕立てました。それぞれ特徴のある2022年の早出しワインを試飲した後、どのワインが美味しかったかの投票では、我がクラブの早出しシラーズが堂々の一位を獲得しました。
 

第2部は豪州和牛 黒毛牛の料理とワインのマッチング。NSWの高原で上質なブラックアンガスと和牛を生産しているレンジャーズ・バレーの牛肉をシェフの石岡さんに腕を奮って調理していただきました。ワインは、SA産の白赤を、それぞれ3種類ずつマッチング。このワインとお肉料理のマッチングは、西山マイクさんとシェフの石岡さんが綿密に打ち合わせをされて作り上げたものです。
レンジャーズ・バレーの宮村さんからは、牛への愛が詰まった熱いお話を伺いました。メモを取りましたので一部ご紹介します。牛肉などの赤身肉の輸出量が非常に多いオーストラリアでは、牛肉の年間消費も大変高く、年に700−800万頭の牛を消費、そのうち90%が食肉牛として消費されているそうです。また、牛の肥育方法も消費者の嗜好と共に変化。昔は、牧草肥育が多数を占めていましたが、今は、牧草肥育が50%、Grain feedと言われる穀物肥育が50%に変わりました。肉食牛として使われるのは、生後半年以内に去勢した雄牛の肉であること、レンジャーズ・バレーは、1988年にスタート、牛の肥育には大変適している日本の軽井沢と同じくらいの標高の高い涼しい水源豊かな場所に位置しており、そこで穀物肥育で上質なブラックアンガスと和牛を生産しているということ。レンジャーズ・バレーでは、アンガス牛の飼育は270日、和牛の飼育は1年という長さで行なっていること。オーストラリアのブラックアンガスは、スコットランドの純血アンガス(long fund)が元であり、和牛は、日本からアメリカを経てオーストラリアに入ってきたものが元であるなど、のお話をいただきました。

後半、一品目の料理:レンジャーズ・バレーWagyuタタキポン酢ソースと共に出てきたワインは、SIT STAY SOCIETY Portia’s “Big Dog” Pinot Grigio 2022 (Fleurieu Peninsula, SA)、YALUMBA The Virgilius Viognier 209 (Eden Valley, SA)、そしてMOUNTADAM Estate Chardonnay 2018 (Eden Valley, SA)。どれもWagyuのタタキのクリーミーさとポン酢のキレの良さが出ているお料理にぴったりでした。

二品目は、レンジャーズ・バレー Wagyu カルパッチョパルメザンチーズとオリーブソース、三品目は、レンジャーズ・バレー ローストビーフと焼肉ソース。ワインは、可愛いラベルのELEPHANT IN THE ROOM Super Duper Pinot Noir 2022 (Adelaide Hills, SA)、PARKER COONAWARRA Terra Rossa Cabernet Sauvignon 2014 (Coonawarra, SA)、MITOLO Jester Shiraz 2014 (McLaren Vale, SA)。
 

来豪された小林さんが特別にお持ちいただいたのは、山梨県勝沼の丸藤さんから、2019 ルバイヤート・プティヴェルド、2019 ドメ-ル・ルバイヤート、2011 ルバイヤート・メルローの3種類でした。小林さんは「(特に2011 ルバイヤート・メルローには)メルローとは思えないコクのあるearthyな味わいでハマってしまった」とか。
この特別なワインは、皆勤賞上位3位までの方々への賞品とさせていただき、そして2次会で皆さんでいただきました。小林さん、ありがとうございました。

今回レポートが大変長くなってしまいました。それだけ中身の濃い充実した会であったことを報告させていただきます。本年も残すところあとわずかとなりました。会員の皆様のお力、ご支援のおかげでワインティスティング・クラブも大きく成長いたしました。来年も皆様のご期待に応えるよう、多くの楽しいイベントを企画しております。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。
  

当クラブでは、広く会員を募集しておりますので、ご興味のある方は
事務局 (jssiwtc@gmail.com)まで、お問い合わせ下さい。

以上