情報提供:アドバンテージ・パートナーシップ外国法事務弁護士事務所
国際仲裁弁護人・国際調停人 堀江純一(国際商業会議所本部仲裁・調停委員)


係争解説 Q&A形式

その3

Q1訴状や答弁書の訂正書を提出した後、如何なるのでしょうか?
A1 英米法での民事の場合、係争に拘わる所持している書類を、相手側に開示する義務があります。従い、相手側が所持していると思料される書類の提出並びに閲覧を求める事が出来ます。

Q2 もし、相手側が拒否したら如何するのでしょうか?
A2 文書提出令状又は召喚状を裁判所に求める事が出来ます。

Q3 相手側では無く、第三者に書類の提出を求める場合は如何するのでしょうか?
A3 当事者外には書類の提出義務等は有りませんので裁判所に依頼する必要があります。

Q4 争点に専門家の意見を必要とする場合は如何するのでしょうか?
A4公認会計士やエンジニア等を鑑定人として召喚する場合でしょうか?通常、当事者同士が其々の鑑定人を選択致します。最初に鑑定書を供述書と共に提出致します。

Q5  専門家も裁判に出廷出来るのでしょうか?
A4 可能ですが、その前に鑑定人のみの密議が持たれます。

Q6 密議とは何ですか?どうして密議なのですか?
A6 告訴人が選択した鑑定人と被告人が選択した鑑定人が密議の内に協議鑑定書を作成する会議です。鑑定人より専門家意見が異なる場合がありますが、秘密厳守で行いますので、裁判所とは異なり、率直に自分の意見を述べる事が出来ます。裁判所には協議鑑定書を提出致します。

Q7 協議鑑定書について詳しくご説明頂けますでしょうか?
A7 専門家が秘密厳守で行った密議の中で合意した見解並びに合意に達しなかった見解を裁判所に提出致します。

Q8 裁判所はどの様に決めたらよいのでしょうか?
A8 どの法律に抵触すのかを見極める必要があります。大きく分けて、連邦法か州法になります。連邦法の場合は連邦裁判所、州法の場合は州裁判所(地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所)が窓口になります。

Q9 複雑ですね?何が連邦法か州法か分かりません? 基準は有るのでしょうか?
A9 今から120年前までオーストラリア国は存在致しませんでした。各植民地が其々の異なる法律を保有しておりました。 オーストラリアが連邦化される際に連邦憲法が発布されました。その中で連邦の力は最小限に留め、残りは州法の継続をみとました。従い、契約法等は未だに州の裁判所に託されております。

本稿は法的アドバイスを目的としたものではありません。必要に応じて専門家の意見をお求めください。
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