情報提供:アドバンテージ・パートナーシップ外国法事務弁護士事務所
国際仲裁弁護人・国際調停人 堀江純一(国際商業会議所本部仲裁・調停委員)


国際商事仲裁解説 Q&A形式

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ICC
Q 仲裁条項にICCルールを使うと書かれておりました。仲裁機関であるICCを使えと言う事でしょうか?
A ICC(International Chamber Of Commerce:国際商業会議所)ルールに従い仲裁を実施しなければなりません。紛争が発生した場合、訴状に該当するRequest(申立書)をICCの窓口に提出する必要があります。
Q 東京にも窓口があるのでしょうか?
A ICCは東京にも事務所は有りますが、日本商工会議所に管理されております。但し、申立書は受理出来ません。最寄りの窓口は香港、シンガポールの事務所になります。

口頭審理
Q 仲裁地はシドニーと記載されておりますが、裁判もシドニーでしょうか?
A 仲裁地が必ずしも口頭審理を行う場所では有りません。仲裁地が決まれば、仲裁地法と仲裁地裁判所が自動的に決まりますが、口頭審理の場所を決定するものでは有りません。
Q シドニーの仲裁地法をお教え願います。
A International Arbitration Act(Cth)1974(豪州連邦法:国際仲裁法)が仲裁地法になります。
Q 仲裁裁判所はシドニーのどの裁判所になりますでしょうか?
A IAA(International Arbitration Act)が仲裁裁判所を豪州のFederal Court(連邦裁判所)とSupreme Court(州最高裁判所)を指定しております。
Q 裁判はシドニーでなくても良いと言う事でしょうか?
A その通りです。当事者が合意すれば何処でも口頭審理を開く出来ます。但し、仲裁地裁判所がシドニーですので、シドニーの方が当事者にとって都合が宜しいです。

仲裁地裁判所の補助
Q 仲裁地で裁判(口頭審理)するメリットは何でしょうか?
A 相手側の証人が喚問に応じない場合、仲裁廷には強制力が有りません。その際には仲裁地裁判所に依頼する必要があります。
Q 証人喚問以外にも仲裁地裁判所に頼らなければならない事が有るのでしょうか?
A 被告人である被申立人が告訴人である申立人に保証金を求める場合、仲裁廷には強制力が無い為、仲裁地裁判所の補助が必要になります。

保証金
Q 保証金とは何でしょうか?
A 仲裁人の費用や仲裁廷の経費は基本的に敗者が支払いますが、申立人が負けて更に支払い能力が無ければ、被申立人は全ての費用や経費を支払う義務が発生します。何故ならば、申立人と被申立人が同一且つ単独で仲裁人の費用や仲裁廷の経費を支払う義務があります。従い、被申立人は二重災害に遭う可能性があります。此れを避ける為に、被申立人の申請により仲裁廷が申立人に保証金を積む様命じる事があります。
Q 申立人に財務内容が悪ければ保証金を求める事が出来るのでしょう?
A 仲裁廷は必ずしも財務内容だけで判断する訳では有りません。仲裁廷は最初に申立人が勝訴する可能性が有るか否かを判断致します。次に、財務内容が悪化した状況を仲裁廷は判断致します。例えば、被申立人が契約不履行で申立人の財務状況を悪化させたのか?

仲裁人4
Q 選ばれ仲裁人に不満が有る場合は如何したら宜しいのでしょうか?
A 仲裁人に公正性や独立性又は能力が欠けている場合、Model Lawでは30日以内に仲裁廷に当事者は異議申し立てをする事を義務付けております。此れを受けて仲裁廷は仲裁人が適正か否かを判断致します。仲裁廷の判断に不満が有る場合は、仲裁機関又は仲裁地裁判所に上告出来ます。
Q 仲裁廷が仲裁人の適正を審議している間は、本審議は中断されるのでしょうか?
A 同時進行されます。仲裁廷は仲裁人の適性を裁定の形で回答する事が多いです。つまり、本審議の裁定と同時に裁定として回答する可能性が有ります。

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