情報提供:アドバンテージ・パートナーシップ外国法事務弁護士事務所
国際仲裁弁護人・国際調停人 堀江純一(国際商業会議所本部仲裁・調停委員)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)専門家

諸外国の相続に関する準拠法

在日外国人が日本で亡くなった場合の相続は、日本の法律に基づいて行われる場合と、被相続人の本国の法律に基づいて行われる場合があります。では、ニューサウスウェールズ及びニュージランド を本国とされる人が日本国内で亡くなった場合の準拠法はどうなるでしょうか。

例えば、オーストラリア人が亡くなったときは、オーストラリアの法律と居住地の法律どちらの法律が適用されるかは、故人のドミサイルによって決まります。ドミサイルとは、法律上の概念で、故人が実質的なつながりを持つ国を意味し、故人が現在別の場所に住んでいた場合は、将来的に戻る予定のある永久的な故郷がドミサイルであるとみなされます。このドミサイルという概念が重要になるのは、遺産の問題を扱う場合です。

オーストラリアでは、故人の居住地(本籍地)がどのように決定されるのかについて説明します。まず、オーストラリアの全ての州及び準州は、ドミサイル法を立法しています。コモンローの基本原則は、全ての人が常に居住地を持たなければならないということです。そしてこのドミサイルは一般的に、出身地、選択に新しい住所を取得したか、法律の運用(市民権やビザなど)などが総合的に考慮され、決定されます。

日本国内でオーストラリア人が死亡した場合、日本法では、相続は被相続人の本国法によると、と規定されているので、ここではオーストラリアの法律に従います。しかし、オーストラリアの法律では遺産相続に関して、遺言書がない場合、動産の相続(銀行の預金など)については、故人が死亡時に居住していた国(ドミサイル)の法律が適用される、という定めになっています。そのため、反致が適用され、日本法が適用される可能性が高いでしょう。

つまり、日本国内で居住していたオーストラリア人については、動産については日本法が適用され、不動産についてはその不動産の所在地の法律が適用されます。例えば、日本の定住所を持つ方が、オーストラリアに不動産を及び動産を残して遺言書を書かずに亡くなった場合、不動産相続についてはオーストラリア州の法定相続割合、動産については、日本法上の法定相続割合での相続となります。

相続の準拠法はこのようにして決定されます。

注意事項:
本稿は法的アドバイスを目的としたものではありません。必要に応じて専門家の意見をお求めください。
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