ジャパン/コンピュータ・ネット代表取締役 岩戸あつし

この三月から四月にかけて日本を旅行した。コロナの為に長い間日本に行けなかったので、実に二年半振りの日本だった。とても懐かしかったが、二年半も日本に行っていないと、まあいろんなことが変っていて驚かされることがたくさんあった。例えば駅や通りにゴミ箱がなかったこと。ゴミを持ったままうろうろした。コロナ対策が徹底されており、ホテル、旅館、レストラン全てで体温チェックがあった。コロナにかかっていなくても熱が少しでもあれば宿に泊まらせてもらいないのではと内心ビクビクだった。マスクが徹底されており、通りでも、車の中でも、まわりに人がいない所でも食べる時以外はみんなマスクをしていた。「黙食」という新しい日本語ができていた。おそらく今年の流行語大賞になるだろう。

さて、ITに目を向けてみると、これも二年半前と比べて変化があった。今回、三週間乗り放題のJRパスを買った。大阪人の(悪い?良い?)癖で、乗り放題パスを買うと、元を取るために北から南まで全国を駆け巡らねばと思ってしまう。そうゆう訳で、東日本、東海道、上越、北陸、山陽、九州新幹線とほぼすべての新幹線に乗った。二年半前も新幹線にWi-Fiはあったが海外の旅行客が使えるフリーのWi-Fiではなかった。例えば、ドコモ、AU、ソフトバンクなどのSSIDが車内に飛んでおり、それら日本のインターネット・プロバイダーと契約している人しか利用できなかった。

今回は、空港にあるようなパスワード・フリーのWi-Fiがすべての新幹線に飛んでいた。ただ手続きが必要で、SSIDを選んだ後EメールやGoogleアカウントを入れることで、それに対応するパスワードは入れなくても使用することができた。インターネットのスピードは思ったより速く、動画も再生できたが、ほぼ一時間毎に切れてしまうのには閉口した。もしかすると連続して使用する方法があったのかも知れないが、ちょっとした隙にWi-Fiが切れてしまい、その都度ログインし直した。

在来線で言えば、東京では山手線、埼京線、地下鉄丸の内線、大阪では環状線、阪和線、地下鉄御堂筋線などに乗ったが、駅で飛んでいるフリーWi-Fiは、電車が動き出すと切れてしまい。いいところで使えなくなるので諦めてしまった。と、ここまで書いてみてお気づきになったと思うが、フリーWi-Fiを頼りにしていては特にお仕事で日本に帰国された方にとってはとても不便である。では、どういうオプションがあるのかというところを以下に書いてみる。

日本に住民票がなくても日本の携帯電話番号とインターネットを利用する方法:
HanaCellという米国系の会社が、日本に行く海外旅行者向けにスマートフォン(iPhone、Android端末)用SIMカードを販売している。日本のプロバイダーと契約しているようで、日本の携帯電話番号がもらえ、インターネット・データも利用できるので、実質上日本の携帯を手にしたと同じ事になる。パンフレットによると、使用した月だけチャージされ、日本から出て本国に帰国し一度も使用しない月はチャージなしと書いてあった。ただ私はこの会社の詳細を調べた訳ではなく、すべてのプランを試した訳ではないので、ユーザー責任で調べてみてください。

日本でWi-Fiのないところでもインターネット・データを利用する方法:
日本の携帯電話番号はいらないが、インターネットだけはWi-Fiのないところでも使えるようにしたいと思っている人は多いと思う。羽田、成田、関西空港には海外旅行者用にインターネット・データ専用のプリペイドSIMカードの自動販売機があった(おそらく今も)。この場合は自分の持ってきたスマートフォンのSIMカードを外して入れるか、もう一台スマートフォンを持ってきて入れる必要がある。PCを含めた複数台でイン―ターネットを繋ぎたい場合は、ポケットWi-Fiがある。これも空港で貸し出しを行っている。以前は、空港以外にも主要な鉄道の駅や***カメラなどの大型量販店にも置いていたが、コロナのせいで海外旅行者が入って来なくなり、これらのサービスを止めたところがあるみたいなので注意が必要だ。降りた空港で探して買う、借りるのが無難だと思う。

Share This