エーオン・リスクサービス 斉藤 大


在宅でのリモート勤務が一般的な状況となっている現在、事務所や倉庫施設等が無人となっている状況が通常よりも長期間にわたって発生している事が想定されます。そういった状況下においては、火災や盗難の被害発生に対してふだん以上に注意を払う必要があります。

例えば、定期的な点検によって建物施設の維持管理を含めた適切な手順を踏むことで、そういった盗難犯罪を未然に防ぐ事ができます。また、万が一の損害の場合にもその拡大を早期に防ぐような補填費用も最小限に抑えることを可能にするでしょう。

可燃性のある物や廃棄物を放置していると、放火の対象なったり、泥棒のターゲットになります。これらは敷地内や周辺から撤去し、またガス、電気、水道は不在が長期に渡る場合は止めておくのが無難でしょう(暖房、防火、侵入者警報器の維持に必要な場合を除く)。また、郵便物などの配達を停止し、レターボックスを封印または撤去するのが望ましいと言えます。また、防犯・防火アラーム等の設備や警備会社のパトロール等については、より確実な備えを行う事が肝要です。

保険契約の内容によっては一定期間を超えて施設が無人である場合(通常は60日)には、保険適用が外されるような条件が付帯している場合があります。有事に想定外の結果に驚くような事がないよう、事前にブローカー等と状況を踏まえて相談し、保険会社へ適宜通達を事前に行う等の手立てをとることが重要でしょう。

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