エーオン・リスクサービス 斉藤 大
一般的な就労ビザを取得する場合、その申請条件の一定の補償内容を満たした保険を継続して持ち続ける事が求められております。以前のように付保証明書の提出は必要なくなりましたが、引き続き適切な保険アレンジをする事が重要な事に変りはありません。
ここで求められている最低限の補償内容とは、主に以下のような内容になりますので、ご自身の保険がきちんと条件を満たしている事をしっかり確認して、且つビザと同じ期間中は継続して保険を有する事が大切になります。
a)公立病院費用の補償
以下に対する政府規定料金までの補償
- 入院費用(施設使用料、集中治療室料等を含む)
- 緊急病棟での費用
- 退院後の継続治療に対する費用
上記については豪州政府による国民健康保険制度であるメディケアにて定められているMedicare Benefit Schedule の金額を最低限カバーする物とする
b)補助器具への補償
定められている補助器具(人工心臓やペースメーカー等)への100%補償
c)処方箋への補償
Pharmaceutical Benefits Scheme (PBS) にて定義されている処方薬については、定められている金額までは補償
d)一般開業医(GP)費用への補償
Medicare Benefit Schedule によって定義されている費用を100%補償
e)救急車費用への補償
救急車費用については100%補償
g)ウェイティング・ピリオドについて
保険契約上、以下のウェイティング・ピリオドまでは設定可能
- 妊娠出産関連費用に対して12ヶ月
- 既往症に対して12ヶ月
- 精神治療、リハビリ治療等に対して2ヶ月
h)除外項目について
保険契約上、以下の項目は除外設定可能
- 不妊治療
- 美容整形
- 骨髄移植・臓器移植
また以下についても状況によっては除外設定可能
- 豪州国外での治療
- 来豪以前より受けていた治療
- その他の政府関連補償(労災保険、自賠責保険等)でカバーされている治療費
i) 年間補償限度額について
年間、一人当りの補償限度額が$1,000,000未満でないこと
ビザ条件は当地で仕事をするなり滞在する為には非常に大切な案件となります。専門家のアドバイスの元、常に最新情報をベースに状況に対応することが肝要となります。