エーオン・リスクサービス 斉藤 大


日本よりも制度的もしくは文化的に企業倒産が割りと頻発する印象があるオーストラリアですが、キャッシュ商売をしていない限りは売掛金の管理は非常に重要な企業のリスクマネージメントの一部だと言えます。

企業によっては社内規定にてしっかりと与信のコントロールを行いながらビジネスを進めていることと思いますが、取引信用保険を手配する事によってそういった与信管理の一部をいわゆる外部委託とし、且つ保険会社と連携しながら売掛金の焦げ付きリスクをマネージするやり方があります。

この保険を手配している事で、保険会社が掴んだ情報を元に、いち早く事前の対応をする事が可能となる場合もあり、また新規開拓の取引先への与信枠を検討する際、やはり保険会社の持つ情報を参考にする、という使い方も出来ます。

当然ながら一般的な損害保険として、取引先の倒産や、倒産しないまでも支払い期日を過ぎても回収できない売掛金の損失を保険金として補填するメリットも備わっていますが、保険の性格上、損失に対する100%の保険カバーというのは通常行われず、80%乃至90%を最大に保険カバーされるのが一般的で、そうする事により保険会社と契約者が一緒になって債権回収の努力をするような仕組みになっているのが通常です。

日々のメンテナンスにも手がかかる保険でもありますし、ご検討の折には専門家のアドバイスを求められる事をお勧めします。

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