ジャパン/コンピュータ・ネット代表取締役 岩戸あつし

3月12日WHOによりコロナヴァイルス、パンデミック宣言がされた。しかし、その前からオーストラリアでもトイレットペーパー、ティッシュ、生理用品、油、スパゲッティなどがスーパーからなくなるパニック買いが起こっている。マスクは、オーストラリアにマスクをかける習慣がないこともあり、元々数が少なく探すのは困難だ。私は、30年間シドニーに住んでいるが、こんなことは初めてで、リーマンショック時にも起こっていなかった現象だ。
私は、シドニーにある日系企業数社のITサポートを行っているので、彼らの対応策をよく耳にする。多くの日系企業は、原則海外出張禁止。日本への出張もオーストラリアへ帰って来られなくなったら困るということで、控えよというお達しが出ているようだ。そうこうしている内に3月15日、オーストラリア政府が海外からの渡航者(自国民を含む)に対して14日間の自己隔離措置を義務付ける措置を発令した。今後の状況次第で、自宅待機を言い渡される可能性もでてきた。すでに私の元に何件かのテレワーク用対応策の問い合わせがあった。
企業の場合、情報漏洩などのセキュリティーの観点から、今まで自宅から仕事をしてはいけないという規則になっているところが多かった。ところが、今回の騒ぎで、パンデミックが長引くと、そうも言えない状況になってきている。現在考えられる、自宅から仕事をする方法を書いてみる。

ハードウェア
会社でWindows PCを使っている場合は、PCに詳しい人を除けば、できるだけ同じOSのPCを使う方がよい。つまり会社がWindowsなら、自宅もWindows。最近のAppleはWindows PCとかなり互換性があるが、同じアプリケーション・ソフトがなかったり、あっても微妙に異なっていたりする可能性があるので、できるだけ同じOSを持つハードウェアを推薦する。
自宅で、デスクトップがよいのか、ラップトップ(ノート型を含む)がよいのかであるが、新しく買うのであれば、ラップトップを推薦する。今のラップトップは、デスクトップにない機能、例えばWi-Fi、ブルートゥース、ビデオカメラが標準で付いており、移動時にも簡単に持ち運べる。さらに、ラップトップにはバッテリーが付いているので、停電時にも有利だ。ただ最近の13インチ以下のノート型は、イーサーネットポート、DVDプレイヤーが付いていなものが多いので、必要に応じてUSBタイプの外付けのものを買うようにすればよい。

セキュリティー
会社のPCを持って帰って自宅で使用する場合は、会社の管理下であるが、個人のPCで会社の仕事をする場合、最も心配されるのが、セキュリティー問題である。家のPCを一度会社に持っていってIT技術者にチェックしてもらうことをお勧めする。

Eメール
自宅で最もほしいものの一つとして、会社のEメールがある。スマートフォンでもEメールはできるが、添付ファイルを処理したりするときは、どうしてもPCが必要だ。Gmailなどブラウザから直接やりとりするメールは、そのまま自宅でも使用できる。しかし、Outlookに慣れている人たちは、自宅のPCにもOutlookがほしいようだ。その場合は、自宅のPCにもOutlookをインストールする必要がある。
Outlookの設定であるが、IMAPと呼ばれる設定方法は、ウェブメールと同じように、複数のPCで同じメールの状態を見ることができる。例えば自宅のPCで、あるメールを削除したら、会社のPCでも削除されているというものである。逆に、POP3と呼ばれる設定では、会社と家で違いが出て、会社で見られたメールが家で見えない、家から送ったメールが会社の送信済みに入っていないという現象が起こる。POP3の場合はこの設定がよくわかった人が設定する必要がある。

データ
これが一番やっかいである。個人のデータであればなんとでもなるが、会社の場合はデータの持ち出しに制限がある。会社によっては、クラウドは使ってはいけない、USBメモリやハードディスクは禁止という規則があって、実質データ持ち出し禁止になっている場合が多い。例外として、DropboxやOffice 365のOneDriveを普段からファイルサーバとして使っている会社は、社外使用禁止ロックがかかっていない限りそのまま家庭でも使用できる。
普段、会社内のファイル・サーバにデータを保存していて、今回初めてDropboxやOneDriveをインストールして使用する場合は、必要なデータをクラウド・サーバ側に移動する必要がある。その場合、社内サーバとクラウド・サーバを同時に使用すると、データの新旧混乱が起こる可能性があり、同時使用はお薦めできない。また、何よりも最初に確認することは、DropboxやOneDriveが社内的に許可されているのかどうかということだ。
もう一つ強いてあげれば、会社内のファイル・サーバにVPN(Virtual Private Network)接続して自宅からワークするという方法がある。VPNとは公衆回線であるインターネット回線を、ハードやソフトを使ってセキュリティーの高い仮想プライベート回線を作るものである。VPNによって安全に自宅から会社のファイル・サーバにアクセスすることができるようになるが、送り側と受け側両方の回線スピードに影響されやすく、私が経験した限りでは、スピードが遅く、フリーズしたりして家庭から快適に仕事といかない場合が多かった。

最後に注意事項として、便利と危険は背中合わせということをいつも心に留めていただきたい。

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