ジャパン/コンピュータ・ネット代表取締役 岩戸あつし

前回1Gから4Gまでをおさらいしたが、今回からいよいよ5Gに突入する。5Gに関してはテレビ、新聞、インターネットですでに多くが解説されているが、断片的で分かりにくいという意見を聞いた。そこで何回かに分けて5Gをわかりやすく解説して行こうと思っている。今回は、速度に関して。

一番の特長として通信スピードが速くなるというのはみんな知っていると思うが、通信スピードの単位として用いられているbps(ビーピーエス)が何のことか分からないという人が多い。たとえば現在の4Gのスピードを仮に10Mbpsとすると(サプライヤー、地域によって同じ4Gでもスピードは大きく異なる)、1秒間に1千万ビットの情報が転送できるということになる。(ビットがなにかわからない方は無視して、数字だけに注目)5Gだとこれが百倍の1Gbpsから千倍の10Gbpsになる。(注:ここで言う5G のGはGeneration(世代)で、1GbpsのGはGiga(10憶の単位)であり混同しないように)とにかく、スピードが今の百倍、千倍になるというように考えればよいと思う。

ただ、スピードが百、千倍と言われてもウェブやメールにアクセスするくらいであればその速さは体感できない。ウェブ、メールはそもそもそこまでの速さが必要のないアプリだからだ。速さが実感できるのは、大きなファイルをダウンロードする時、ビデオ、動画の視聴、特に4K、8Kと言われる高解像度に威力を発揮する。

現在ある他の通信網と速さを比べてみよう。家でADSLのインターネットを使っている人は、10-20Mbpsで通信している。これはほぼ4Gと同じか、それより少し速いスピードである。NBNを使っている人は50-100Mbpsで通信している。そして、会社でサーバーとつながっているLANのスピードは1Gbpsだ(最近は10Gbpsもあるがまだまだ少ない)。そして5Gは現在のNBNのスピードを超え、今まで経験しなかった速さを実現しようとしている。

現在インターネット使用に際して多くの人は次のような順序で通信網を利用していると思われる。まず、外にいる時はスマホを使って4Gで通信する。自宅やどこか屋内に入ってWi-Fiがあれば、そこにあるWi-Fiを使う。Wi-Fiの元がADSLであった場合は4Gのスピードと大して変わりないが、元がNBNの場合はWi-Fiの方がかなり速くなる。また携帯の4Gの使用量に制限がある場合が多く、多くの人はWi-FiのあるところではWi-Fiを選ぶようだ。ただ、メールの確認などちょっとした用事で使う場合は、パスワードを聞いて入力するのが面倒くさいので、そのまま4Gで使っている人が多い。海外に出たときは、プロバイダの海外ローミング料金が非常に高額なため、多くの人はWi-Fiポイントを探すか、旅行先の国で使用できる4G用のSIMカードを買っている。家に帰ればADSLであれ、NBNであれそのモデムから発信されているイーサーネット・ネットワーク・ケーブルやWi-Fiを使用する。このように我々は普段、4G、Wi-Fi、自宅のADSL/NBNという主に3つの通信網を使い分けている。

5Gが導入されるとどういうことになるかというと、5Gは以上の通信網と比べてどれよりも高速なため、すべての場合において5Gで対応できるというメリットがある。自宅のPCを5G につなぐことで、極端な話、NBNも必要なくなるかも知れない。(もちろん、このころにはNBNのスピードが5Gよりもっと上がっていると思うが)ただ、いくつか問題は残る。5Gが安価でアンリミテッドであればよいのだが、使用制限があったり使用料金が高かったりした場合は、せっかくの5Gを使わないで、スピードの遅い安いものを選ぶ可能性があるからだ。その傾向は現在のNBNでも起こっており、ADSLの料金が安いためNBNに切り替えない人たちがいる。

また、海外に行ったときに5Gが安く利用できるかどうかというのも大きな課題だ。現在のように海外ローミング料金が国内の10倍も高ければ誰も利用しなくなる。4Gと同じように海外のSIMカ―ドを現地で買って入れるということになるのか、どうなるのか、まだ分からない。

次回は5Gになって初めて実現できるもののお話をしよう。

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