ジャパン/コンピュータ・ネット代表取締役 岩戸あつし

 

日本に行って来た。以前ニュースで聞いたのであるが、2020年の東京オリンピックに向けて、今よりさらに多くの外国人旅行者が来日することが予想され、その人たちのために無料Wi-Fiの整備が必要であるという提言がなされていた。私はこの2月に日本の各地に旅行して、Wi-Fi事情に関して実体験してきたので、レポートしようと思う。

まず、最初に着いた成田国際空港であるが、空港全体にWi-Fiは整備されており、空港内であればどこでもWi-Fiが使用できる。ただ空港に着いてWi-Fiを探すとやたらたくさんのSSIDが出てきて、ITに疎い人はどれが空港の無料Wi-Fiか分からない人がいるかもしれない。成田空港の場合は、「FreeWiFi-NARITA」というのがそうであるが、他の空港でもSSIDの分からない場合の探し方としては、まずパスワードプロテクションのないものを探し、パスワードプロテクションのないSSIDが複数あれば、その中からその空港が管理している可能性が高い名前のものから順番にアクセスすることである。例えば関西国際空港であれば、「FreeWiFi@KIX」になる。

そしてそれでWi-Fiが使用可能かというとそうはいかない。スマートフォンでも、パソコンでもまずインターネット・ブラウザにアクセスすると、自動的に空港会社のウェブが表示されるようになっている。最後に見たウェブがまだ表示されていたりしてなかなか空港会社のウェブに移らない場合がある。その場合は、ウェブを閉じて開けたり、別のウェブのブックマークをタップしたりするとそのうち航空会社のウェブが現れる。そして、それから言語を選び、「インターネットに接続する」をタップする。そしてその後さらに利用規約に同意したり、セキュリティーレベルに同意したりしてようやく使用可能となる。空港によっては、1時間しか有効時間がないものもあるが、1時間ごとに上の操作をくり返せば利用できるのがほとんどだ。

最近は、JALやANAで機内でもインターネットが利用できるものが増えてきている。値段もJALの場合、1時間US$10.15、3時間US$14.40、24時間US$18.80で、ビジネスで必要な人にとっては手ごろな価格設定になっている。しかし飛行機の中はビジネスから開放されたリラックス空間だと思っていた人が、今後飛行機の中でも仕事を強いられるようになると思われる。

次に鉄道であるが、新幹線の車内は無料Wi-Fiが付いていると聞いていたのだが、実際にアクセスしてみると、無料でWi-Fiにアクセスできるのではなく、日本のどこかのプロバイダとインターネットの契約がある人だけが利用できるということがわかった。つまり私のように、日本のプロバイダと契約していない人は、新幹線の中に飛んでいるWi-Fiを利用できないということになる。これは新幹線各駅の構内に設けられているインターネット接続サービスエリアでも同じで、電源などの設備はあるが、Wi-Fiは日本のプロバイダと契約する必要がある。つまり海外からの客は私と同じように利用できないということになる。

各都市の鉄道、地下鉄などでFree Wi-Fiを見つけることがある。各自治体が観光誘致目的で管理しているものが多い。ただし、駅に停車している時だけしか使えないものが多く、電車が走りだすと切れてしまう。

今回、北は青森、南は九州、長崎と日本を縦横無尽に駆け巡ったのであるが、どのホテルでもWi-Fiは整備されていた。以前は東京の4スタークラスのホテルでもWi-Fiがなくて、ビジネスルームに行ったのを思い出した。ただし、Wi-Fiのアクセスの仕方はまちまちで、パスワードを案内に書いているところ、パスワードがなく自由に利用できるホテルがあった。

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